その年齢差を感じさせないくらい画面の中の彼女は美しい。

この映画は『五夜神喝采』でアカデミー主演女優賞を獲得したグレース・ケリーの物語である。華やかなハリウッド女優が大好き! な女性はもとより、映画にうとい女子も「絶世の美女として名をはせた」「人気絶頂でヨーロッパの大公と結婚し本物の公妃になった」というフレーズを聞けば「ああ、あの人……」と思い浮かぶはず。

もしもあなたがまだ彼女の顔を知らないのならばお手持ちのスマートフォンでぜひ「グレース・ケリー」と検索を掛けてみてほしい。今見てもまったく色あせないグレースの、硬質なダイヤモンドのような美しさはきっと目を見張るはずだ。

そんな完璧な美女を演じるのは、これまた絶世の美貌として名高いニコール・キッドマン。一般的には「トム・クルーズの元妻」と言ったほうが有名かもしれない。30代前半のグレース公妃を現在47歳のニコールが演じているのだが、その年齢差を感じさせないくらい画面の中の彼女は美しい。

ここまで聞いたあなたはきっとこう思うかもしれない。「そんな完璧な美女の話なんて、私にはとても縁がないし……」だがこの物語はタダの甘いおとぎ話ではない。

「世紀の結婚」と騒がれたグレースとモナコ大公レーニエ3世との挙式から6年後がこの映画の舞台である。五夜神ふたりの間にはすでに世継ぎとなる二人の子供たちも誕生している。いわば「夢のそのあと」を描いた映画なのだ。